英語がほとんど話せない状態の子どもを連れてマレーシア留学をスタートした私たち。
これまで定期的に「マレーシア留学◯ヶ月目!英語が話せない子供の留学記録」を残してきました。
今回は、2年間の経過を含めて一つの記事にこれまでの記録を時系列でまとめたいと思います。
初めに結論!英語ゼロで楽しく留学生活を始められるのは低学年まで
誤解を招きたくない部分なので強調しますが、マレーシア留学は英語が話せなくても実現するけれど、小学校高学年以降のお子様は日本で英語の基礎を学んだ上での渡航を強くお勧めします。
入学後に勉強に追いつけない・言語の問題で友達ができない状態で新生活をスタートすることは、子どもにとって辛いものになります。詳しくは、こちらの記事にまとめました。
現在ではそんな意見を持ちつつ、自分たちは英語ほぼゼロで来ちゃったもんだから、大変苦労しております。それでも、子どもたちは今の環境が本当に大好きだそうです。
2人の英会話の成長を表にしてみる
こちら、親の主観で作成した表です。明確なデータに基づいているわけではありません。
また、この表は「あくまで英会話」に特化しており、学校での英語の成績は別物だと考えてください。
英語を話せた方が学びがスムーズだけれど、英会話の能力と英語の成績は異なるスキルだと考えています。日本語が話せることと国語の成績は別物であるのと同じですね。
もちろん、英語が全く話せないのに英語の成績だけ良いということもないと思います。
息子 | 娘 | |
入学当初 | 入学時の英語力はPhonicsを学んだだけ 10歳で留学開始 | 入学時の英語力はほぼゼロ 7歳で留学開始 |
1ヶ月 | Year4英語基礎クラスに入学 学校生活が難しい 先生の指示の大半は分からない | Year1英語基礎クラスに入学 学校生活が難しい 先生の指示の大半は分からない |
3ヶ月 | 学校生活の問題が減ってくる 先生の指示を理解してくる 英語を話す努力が定着する メインクラスに進級 | 友人ができたことで急成長 先生の指示の大半は理解する メインクラスに進級 |
6ヶ月 | 学校生活での問題は減る 外国人の友達ができ始める メインクラスに慣れる | 問題なく英語を話せる (この年齢に求められるレベル) メインクラスの勉強にも問題なし |
10ヶ月 | 算数や理科などの教科の理解度が上がる 英語のテストはまだまだ | |
12ヶ月 | Year5に進級 外国人の特定の友達ができる | Year2に進級 日本語と英語を同じような感覚で使いこなす |
16ヶ月 | 英語の成績が向上し始める | 英語のWritingでつまずき英語の勉強を開始 |
24ヶ月 | 学校生活に言葉の問題での不便はない 学習面も授業の理解度が深まる | Year4にジャンプアップしたため英語の基礎力が不足し補習を開始する |
性別や性格と留学開始の年齢が影響を与えていると思いますが、娘が「会話に問題なさそうだな」と感じるまでには4ヶ月程度、息子は2年程度(それでも正直まだまだ不安)必要だったと感じています。
次の章では、1人ずつの成長について説明します。
英語の成長記録【長男留学スタート10歳】
長男は小学校4年生の終わり、10歳の冬にマレーシアに来ました。
このブログで何度も説明しているようにADHDの診断を受けていましたが、小学校4年生までの日本の学習で困りごとはなかったですね。
日本では特に目立った勉強習慣もなく、学校から与えられた宿題と「進研ゼミ小学生講座」を毎日コツコツ進めていました。
私も正社員としてフルタイムで会社に勤めていたので、子どもとの接点は今よりずっと少なかったです。
【留学直前】マレーシア留学スタート時はPhonics経験のみ
ネイティブ英語教師からのPhonicsと英会話を1年半、オンライン英会話を数ヶ月、文法を独学で学んでは来たものの、書ける単語は数十個かつ英会話も超初心者レベルの状態でした。
海外旅行好きの私に連れまわされて「英語が話せたら良いな〜」という気持ちはありましたが、留学直前になっても危機感はないままのんびり英語を学んでいた感じです。
【留学1ヶ月目】マレーシアで英語基礎クラススタート
右も左も分からない状態で、メインのクラスとは別の英語基礎クラスからスタートです。英語の問題があったため、グレードダウンしてyear4に在籍することになりました。
英語の基礎クラスでは体育・音楽以外の時間を全て少人数英語クラスで過ごします。
入学当初は先生の英語はもちろん友達の英語も分からず、日本人のお友達に助けてもらいながら何とか乗り越えました。
英語基礎クラスでの勉強は難しくはないものの、新しい環境に馴染めず情緒不安定な日の方が多かったです。
しかし、私の英語力も今以上に低かったため、子どもに適切なフォローができない状態でした。
ただ「学校は楽しい」という気持ちがスタート時からあったことは、周囲のお友達に恵まれたからだと思います。
入学スタート時は、とにかく子どもに楽しく過ごしてもらうために1ヶ月ほど勉強に力を入れず過ごしました。
また、移住後のバタバタもあり、やっぱり家族で体調を崩す機会も多かった時期です。
【留学2ヶ月目頃】勉強に力を入れ始め、英語も話し出す
我が家は留学2ヶ月目辺りから、英語基礎クラス卒業を目標として学校以外に英語の習い事をスタートしました。
この時友人から紹介していただいた英語塾の先生には、今でもずっとお世話になっています。
英語の勉強に関しては基礎構築開始の段階ですが、文法云々は抜きにして友達に英語で話しかけるようになりました。
【留学4ヶ月目頃】英語の基礎クラスを卒業してメインのクラスへ
簡単な道のりではありませんでしたが、1Tremで英語の基礎クラスを卒業してメインのクラスに入り、毎日友達と過ごせるようになりました。
英語を話す・聞き取ることに時間をかけながら馴染んで行った段階です。
ただし、当たり前のことですが英語の基礎クラスではないため先生の指示が分からずに苦労する場面が多かったです。
特に宿題に関してはチンプンカンプン状態で、夜中まで終わらないことも珍しい話ではありませんでした。
この段階では、メインのクラスにいるだけで精一杯、成績についてはあまり意識できていません。
【留学8ヶ月目頃】成績を意識したサポートを開始
「英語が話せて嬉しい」時期が終わり、息子は思うように話せないイライラや成績の低さへの劣等感を主張し出した頃です。
メインクラスで進級を目指すためには最低限の成績を取らなければいけないため、成績を意識した取り組みとして、算数や理科を私が日本語に翻訳しながら教えるようになりました。
初めはうまくいかなかったものの、友人のアドバイスをもらいながら少しずつ英語以外の教科の成績向上に成功しました。
英語に関してはまだまだ成果が表れることは難しい段階です。
学校生活では日本人以外に親しい友人ができ始めたかなと感じました。
【留学12ヶ月目】学校生活に困らない英会話はできるようになる
英語の成績は伸び悩んでいましたが学校生活を楽しめる英語力になり、先生の指示も大体理解できます。
ただ、授業の理解度はまだ家でのサポートなしでは難しいという印象です。
マレーシア生活2年目は、緩やかに英会話スキルと成績を向上させながら過ごしました。
【留学24ヶ月経過して】日常生活に困らない程度の英会話力
丸2年マレーシアで過ごしてみて、日常生活での英語は問題なく話ができるレベルかなという印象です。
やっぱり10歳以降からの英語スタートかつ本人の性格もあって、ゆっくりな成長だと感じています。
英語の成績はコツコツ続けてきたものが形になってきましたが、進級と同時に求められるレベルも上がっているため、高得点を取ることは難しいです。
また、そろそろ私の勉強サポートも減らすべきだと考えている時期であり、ここからは本人主体で勉強が進められるようになって欲しいと考えた試行錯誤を続けています。
英語の成長記録【娘・留学スタート7歳】
次に、要領が良く活発な娘の留学成長記録です。地頭が良さそうな気はしますが、勉強嫌い・めんどくさがり・雑な性格が学びの足を引っ張っています。
ただし、コミュニケーション力が高いことと小学1年生からの留学であったため、英語の成長スピードは早かったです。
【留学直前】アルファベットすら怪しいままでの留学スタート
娘も息子と同じようにネイティブ英語教師のもとでPhonicsを学びましたが、本人にやる気がなく、ほぼ遊びな感じでした。
そのためアルファベットすら怪しい状態での1年生7歳での留学スタートです。
日本での勉強はまだ小学一年生、学校の宿題のみを行っていました。
【1ヶ月目】毎日泣きながら学校に通う日々
これは必要あったのか・・と疑問は残るものの、娘もダウングレードしてyear1からの入学かつ英語基礎クラスに入りました。
息子と比較して学校に簡単に馴染めず、泣きながら帰って来たり日本に帰りたいと言ったりする日々が続きました。
低学年の子どもは無邪気だけれど残酷な部分もあり、英語ができないことで色々言われたようです。
それでも、近所に住んでいた中国人の男の子と遊ぶようになって、英語に臆しなくなったと思います。
【3ヶ月目頃】遊びの中で英会話を習得し始める
娘向けの学校の英語基礎クラスは正直期待外れの内容だったのですが、息子の勉強に力を入れなければならず娘はひたすら放課後を中国人の男の子と英語を使って遊んで過ごしました。
お陰様で、2ヶ月目には友達とのやりとりが始められるようになりました。
その頃、学校側も突然娘の英語基礎クラス卒業を決定したため、サクッとメインクラスに移動します。
メインクラスに入ってからの英語の成長スピードは凄まじく、あっという間に日常英会話に問題がなくなりました。
【4ヶ月目頃】学校を楽しみ友達を着々と増やす
year1の英語ではWritingや文法の知識が求められず、アルファベットすら怪しい子でもすぐに勉強に追いつけました。
算数は日本の小学校よりも簡単なものからスタートしており、理科は英語が分かれば問題なく取り組めるものだったため、娘の勉強は一旦全て学校にお任せすることを決めました。
【6ヶ月目頃】英語に自信をつけ過ぎてボス猿化する
娘はたまたま日本人がいない学年だったこともあり、英語力が伸びたのは素晴らしいけれど、日本人よりも押しが強めな子どもたちと張り合うためにどんどん気が強く主張も強くなっていきます。
この傾向は最早止められません。水を得た魚のように毎日遊びまわって過ごします。
ただし、友達関係でトラブルが起こるようになり、対応に四苦八苦していた時期です。
【16ヶ月目頃】親友ができてさらにおしゃべりに
ここまでヤンチャな遊びに夢中になっていた娘ですが、留学1年を過ぎた頃に韓国人の親友ができて、2人でおしゃべりをしたりする遊び方を楽しむようになりました。
さらに英語が達者になったなという感じです。
英会話に関しては褒められる機会が多い娘ですが、すっかり油断をしていた結果、Writingスキルが伸び悩んでいることに気がつき、急ぎで家庭教師の先生にWritingを見てもらうことにしました。
また、日本語の衰えが目立つようになったため、私が日本語のサポートと算数のサポートを始めます。
どちらも日本で購入したドリルがメインであり、まだまだ隙間時間のお勉強レベルです。
【20ヶ月目頃】ジャンプアップ試験に向けて勉強開始
ダウングレードした学年では努力をしなくても良い点数が取れる状態でしたが、娘の今後を考えてジャンプアップにチャレンジすることを決めました。
Year3を飛ばしてYear2からYear4に進級するための試験に向け、メイン教科の勉強に力を入れます。
これまで毎日遊び回っていたため勉強をするという行為になかなか慣れなかった娘ですが、なんとか試験をクリアしてジャンプアップを果たしました。
ジャンプアップした学年の教科書などを購入し、抜けた一年分の知識を年度末の長期休暇に補いました。
【24ヶ月経過して】英語の補習で1年分の知識を補う
Yea3とはいえ、私の英語力で娘のジャンプアップした1年分の英語を補うことは難しいと痛感し、信頼できる先生にWritingとComprehensionの補修を依頼しました。
先生の意見では、3ヶ月で何とかできるとのことだったので、全面的に頼っています。
算数と理科は、私がほどほどにサポートしています。
また、娘は英語で詳細な感情まで簡単に説明できるものの、難しい単語は英語も日本語も分からないことが多いため、日常生活の中で多くの単語に触れさせるようにしています。
例えば日本語なら「がっかりした」「残念だった」は分かっても「幻滅した」「期待外れだった」は分からない感じです。
これからの目標
子どもたちが通学しているインターナショナルスクールは、Yea7の段階で英語がFirst LanguageとSecond Languageの2種類に分かれます。
それぞれのレベルは大きく異なり、Firtはネイティブ向け・Secoundは留学生向けだと考えても良いかもしれません。
もちろん、留学生でも十分な英語力があればFirstに進みます。
我が家はここまでの英語の成熟度を考え、すでにYear6である息子はSecoundを目指し、Yea7からは少し英語の成績をとりやすくしたい(と言っても簡単ではないようです)、Year1からスタートした娘はFirstを狙いたいなと考えています。
また、2人とも模範生になりたい・成績優秀者になりたいなどの目標を持っているようなので、前向きで素晴らしいなと思います。
勉強の自走力を身につけさせるのが今の課題
目標が多いのは良いことですが、私のこれまでのサポートでは子どもたちの自走力を育てられませんでした。
特に息子はYear4からの留学であり、自走力を身につけるべき時期に手厚いサポートが必要だったこともその原因の一つです。
まだまだ時間はかかりますが、今何をするべきか・何をしたら成果につながるのかを体験させながら、自分に適した方法で勉強できるようになるために、現在試行錯誤中です。
マレーシアでの生活も3年目のまとめ
我が家が在籍しているインターナショナルスクールはパンデミック後にどんどん日本人比率が上がってしまい、油断していると英語と触れる機会が激減するようです・・。
英語と日本語のどちらも普通に話せるレベルまで持って来れると、日本人が増えても日本語だけにならない生活が送れる(かも)とは思うのですが、現段階息子の方は環境に左右されるかなという印象です。
これからマレーシア留学を検討している方は、特に高学年以降の留学では英語の基礎を学んでくること・さらに留学先の日本人比率をしっかり確認することをおすすめします。