マレーシアのインターナショナルスクールに通っているADHDの息子がプレイセラピー:Play therapy(遊戯療法)を受けることになりました。
開始してすぐというタイミングで成果を感じる前ですが、せっかくなので経過を含めて記事にしておこうと思います。マレーシアでの発達障害児育児について知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
【我が家の簡単な説明】
・息子11歳は自閉スペクトラム症(ADHD)
・2022年1月よりマレーシアに母子留学
・日本ではインチュニブを服用していたものの現在服用無
プレイセラピーとは
プレイセラピー(遊戯療法)は、マレーシアに限らず世界的に行われている子供向けの心理療法です。
発達障害児専門の療法というわけではなく、どのような子供にも内的世界を表現する方法として役立ちます。
大人であれば言葉で自分の気持ちを説明できますが、子供にはそれが難しいため、遊びから内面にあるものを探っていきます。プレイセラピーは子供が自己表現をする手段として適しているのです。
適応年齢は小学生くらいまでですが、明確な年齢制限は設けられておらず、患者の症状に合わせて取り組みが進められます。
プレイセラピーの原則
プレイセラピーでは、セラピストではなく子供が中心になって進められていきます。子供がリードしセラピストはそれに従うスタイルです。
プレイセラピーは毎週または隔週のような頻度で複数回長期的に取り組むことで、子供の自己表現が展開されていく様子を慎重に見極める必要があります。
我が家の場合は週に1回のセラピーを3ヶ月(全10回)を前半とし、後半は冬休み後に再開予定です。
プレイセラピーで期待できる効果
- 自分の気持ちを表現できるようになる。
- ありのままの自分が受け入れられて自信が持てるようになる
- 自分らしさとは何かが見えてくる
- 他者との関わり・人間関係の築き方が学べる
- 自分で自分の問題を解決する能力が養われる
その他、先生からは「自分の心の奥底にあるものが理解できる」息子はADHDかつ衝動性強めなので「怒りの感情の根底にあるものを探る」「自分に適した感情コントロールの方法を知る」という説明を受けました。
プレイセラピーは、発達障害児の問題行動に直接アプローチを仕掛けるのではなく、内面の形成・自己確立による発達促進にポイントを置いているそうです。
プレイセラピーを始めた理由
私がADHD息子にプレイセラピーを受けさせようと決めた最も大きな理由は、通学しているインターナショナルスクールにプレイセラピーのセラピストの資格を持つ先生が在籍しており、提案をいただいたためです。
彼女は発達に問題のある子供が学校にフィットするための取り組みをしてくれている方でした。
これは入学前には知らなかったことなので、運が良かったとしか言えません。その他の理由は次のようなものです。
王道の感情コントロール法に成功したことがない
日本で「アンガートレーニング」が行える病院やサービスを探したことは何度もあるのですが、田舎に暮らしていたこともあり、通える範囲内で良い場所を見つけることができませんでした。
また、地方自治体や病院では色々な先生・臨床心理士からアドバイスをもらったものの、私と息子の忍耐力不足か・・どのアンガートレーニングの方法も定着できずに諦めてしまうことが多かったです。
具体的に試してみた感情コントロールの方法は下記の通りです。
- 怒りを感じたら深呼吸
- 怒りを感じたら10を数える
- 怒りを感じたら書き出してみる
- 怒りを感じたら何が不快なのか考えてみる
カッとなった瞬間に声または行動に出てしまう息子にとって、一瞬でこれらの行動に移るというのは非常に難易度が高いと感じています。
現段階では深呼吸の実践を繰り返しているものの、なかなか簡単ではありません。
そもそも息子に適したアンガーコントロールの方法が、プレイセラピーで見つかるのではないか?と考えています。
私もセラピーに参加したかった
プレイセラピーに中には、数回親も参加してセラピストと話を進める機会があるそうです。正直「藁にもすがりたい」時期のあった私としては、これは嬉しい提案でした。
子供によって個性が違うとは言え、親と子供には切っても切れないような深い関係があるため、親子でセラピーを受けるということは非常に重要だと考えています。
問題行動は改善してない
息子の衝動性は年々良くなっています。我慢できることも増えました。
しかし、それよりも早いスピードで子供は成長しており、間も無く本格的な思春期や反抗期も来るでしょう。
今まで「まだ小さいから」で許されていたことは、当たり前ですがもう許されません。
学校では今の所、問題視されていない息子の衝動性も、やはり他の子供と比べると目立つものです。
現段階で何の治療も受けていない状態だった
以前、マレーシアで発達障害のカウンセリングを受けたことを記事にしました。
この先生には息子がもう少し英語力が伸びたら、数ヶ月に一回ペースでカウンセリングを頼もうと思っています。
しかし現段階ではまだ英語力が足らず、さらにご紹介いただいた日本語の話せるカウンセラーが・・・ちょっと我が家の家計には厳しいお値段だったので(具体的には1カウンセリング2万円弱〜でした)
罪悪感のようなものは感じつつも、効果がどこまで期待できるか分からない新しい先生のカウンセリングに積極的になれず、保留にしたままなのです。
つまり、現段階では息子はインチュニブ投薬をマレーシア渡航によって中止して7ヶ月目・どこの病院にも通ってない状態でした。
定期的に学校の発達障害児専門の先生とは連絡を取り合っていますが、このまま何もしないのはダメだと感じています。
プレイセラピーの感想
息子のプレイサラピーが開始してまだ2回。遊びが中心のセラピーであること・セラピストの先生とは元から面識があることで、息子はただただ楽しい時間を過ごしているようです。
本当はプレイセラピーの様子も説明したかったのですが、息子はあまり状況説明が得意ではないので、現段階で分かっていることは次の通りです。
- 子供中心で遊びを決める
- いくつものオモチャが用意されている
- 毎回すごろくをする
- 自分の好きなものを作る(レゴ・砂場)など
- そんなに会話は多くない
そして「とにかく楽しい」そうです。それは良かった良かった!
もちろんまだ成果は分かりませんが、セラピストの先生には「とてもオープンな子なので、このセラピーは良い方向に進むと思う」と言われています。
成果を期待する気持ちがないと言ったら嘘になるものの、勉強やストレスの多い息子に「楽しい」時間が増えただけでも嬉しいこと。
これからの経過や感想は、このブログでお伝えできればと思います。