我が家がマレーシアで暮らし始めて、もうすぐ4年目が終わります。
日本から逃げるような気持ちで辿り着いたマレーシアでの生活は、想像していた以上に大変でした。
でも、その代わりに、子供たちと自分は大きく成長できたと思っています。
特に大成長したのが、やっぱり発達障害児である息子です。
最近は「ああ、本当にマレーシアに来て良かった」と思う機会が多いので、息子の成長について記事にすることにしました。
発達障害児の息子の心の成長
息子がマレーシアに来たのは10歳の頃。
ADHDで感情コントロールが超苦手だった息子が一番特性に悩まされたのは、7歳〜11歳くらいだったかな。
マレーシアに来てから半年程度は、言語の壁のストレスからか症状が悪化しました。
そんな息子は、現在多くの特性と上手に付き合えるようになっています。
今ではほとんど怒らなくなった
14歳になった息子は、意味不明なことでほとんど怒りません。
「穏やかな子」になるかというと、流石にそれは違うけど・・・
突然キレて大声を出したり物を投げたりすることは無くなったと言って良いでしょう。
生活態度はむしろ妹よりもしっかりしているし、礼儀正しさは周囲のママさん方からよく褒められるほどです。
もちろん、怒ることはゼロではありません。相変わらずゲーム中に苛立って机を叩いてしまうとか、私と口論になって地団駄を踏むとか、そういうことは時折起こります。
でも、思春期男子だと思えば、そんなもんかなと言えるんじゃないでしょうか?
支離滅裂なことは基本的に言わなくなった
これ、発達障害児あるあるだと思うんですが・・
0か100か思考が強く、「〇〇は良くないよ、やめよう」と何かを注意した時、「はいはい死ねばいいんでしょ?」とか、淡々と話を続けると「俺はダメだ、生きてる意味がない」とか・・
こっちも「あ〜!!!話が進まな〜い!!」と気が狂いそうになります。(涙)
正しい対応について、その都度話し合うけれど、とにかく何をするにも時間がかかっていました。
最近はそんな反応もしなくなり、「確かにあれは悪かった」「これからは気をつけようと思う」「でも、〇〇はしたんだよ」とか、冷静な対応ができています。
過集中に対するコントロール力も高まってきた
マレーシアに来たばかりの頃は、勉強なんてしたくない・一生ゲームをしていたい・Youtubeを見始めたら無限ループ状態。
少しずつ少しずつ勉強習慣をつけていったけど、私の注意なしで自主的に過集中+アドレナリンが出るような遊びを切り上げられるようになるまでは、数年必要でした。
「勉強を頑張ると成績が上がって嬉しい=そのためには勉強時間の確保が必要だ」と気づくまで1年以上、そこから実際に行動に移せるようになるまで2年かな・・・
最近では、家族で決めた目標の自学時間はしっかり確保して自分で時間をマネジメントしています。
ただし、スケジュールへのこだわりがあるからか「テスト前だからちょっと勉強時間を増やそう」ってのはまだ難しいところ・・・これは課題だな。
自信を持てるようになりチャレンジ精神が生まれた
マレーシアに来たばかりの頃、息子は英語が分からなかったのと感情コントロールができず、テストは落第点ばかりでした。
だから、勉強をしようと促しても「どうせやっても無駄」「やる意味はない」と言い張り、毎回話し合いに苦労しました。
でも、話し合って話し合って、少しずつ勉強の時間が伸びて・・その結果成績が良くなってきて・・
2年目には「やればできるんだ」と気がついたんです。
その結果、勉強だけでなく何にでも「やってみたい」「やってみよう」と言える子供になりました。
日本の小学校では先生から否定される機会が多かったので、その回数が激減したのも彼が自信を持てるようになった理由だと思います。
なぜ息子がこんなに成長できたのか考えてみると
なぜ、自分が思っていた以上に息子が成長してくれたのか・・考えてみると
やっぱり一番は通常の子供の心の成長+マレーシアでのアプローチ+マレーシアという環境+私が正しいケアを学んだことの全てが関係していると思います。
「マレーシアという環境」は息子の成長に最適だった
これ、今だから言える話であって、留学スタート時にはそんな確信は持てていません。
でも今では、マレーシア独自の環境や外国人として外国に暮らすこと自体が、私たちにぴったりだったと思っています。
その理由を箇条書きにすると、こんな感じです。
- 息子の特性が大して目立たない自由度がある
- 他の文化の相手を批判せず排他的ではない
- 否定よりも褒める文化が根付いている
- 心が自立している子供が多い
- 先生は問題を伝えるだけでなく改善案を模索してくれる
日本の学校で「普通にすることが難しい」と感じていた息子にとって、そもそも多民族国家で「普通という意識が薄い」マレーシアは、とっても心地良い場所だったんじゃないかな。
マレーシアと発達障害児の相性については、こちらの記事に詳しくまとめています。
我が家が実際に取り組んできたアプローチ
日本では地方住まいだったことから、カウンセリング以外のアプローチができていなかった我が家。
マレーシアに来てからは、手当たり次第いろいろなアプローチを試しました。
サラッと書くと、こんな感じ。
- プレイセラピー
- レゴセラピー
- ソーシャスキルトレーニング
- マウストレーニング
- カウンセリング
などなど。
それぞれのアプローチの詳細は、この記事にまとめています。
特に、プレイセラピーやレゴセラピーで楽しみながら人とのコミュニケーションを学んだことと、ソーシャルスキルトレーニングで「自分の行動によって他人はどう感じるのか?」を理解できるようになったことは、彼にとって貴重な経験だったと感じています。
それでも「発達障害児に安易にマレーシア留学をおすすめしない」スタンスです
このブログのテーマでもあるのですが、私は「発達障害児育児中のママに安易にマレーシア留学をおすすめしない」と決めています。
ここまで良い経験をしてきたのになぜ!?と思われるかもしれません。
でもね、発達障害児の特性って十人十色。サポートする家族の性格や家族構成もそれぞれ+マレーシアのインターナショナルスクールは学校によって対応や雰囲気が結構違います。
さらに、「マレーシアに来たら解決」なんじゃなくて「マレーシアに来てからスタート」くらいの気持ちで行かないと、大変なことばっかりです。
だから安易にはおすすめできない。でも、興味がある方、希望を感じる方は、ぜひ学校見学や下見に来てみてください!
それで「ここでやっていこう!」と家族みんなが感じたら、それは素晴らしい未来につながるかもしれません。